ブログ

校長ブログ

【校長ブログ】令和6年度 第76回卒業式 「未見の我」を信じ、幸福の追求を!

 3月11日、春日部高校では、第76回卒業証書授与式を挙行しました。4年間、うれしいこと、楽しいこと、そして悲しいこと、辛いこと、色々あったと思いますが本日の卒業式を迎えることができたこと、心よりお祝い申し上げます。


 今日で、東日本大震災が発生して14年が経ちます。その間、コロナや能登半島地震、岩手県大船渡の山火事など、多くの災害が発生しました。また、世の中は急激な変化の渦にあります。AIやデジタル技術が発達し、私たちより速く、より効率的に物事を進めることが求められています。

 こういった防災の知識や社会の変化に対応する多めの知識は、これまで学んだ基礎の上に積み重ねていく必要があります。これからも引き続き学び続けていってください。そして、「未見の我」を信じて、一生涯、「幸福」を追求していってください。
 校長式辞を紹介します。

 暖かさと寒さが交互に行き会いながら、校内の木々にも春の訪れが感じられてきました。この春の佳き日に、御来賓のPTA会長 青鹿 美穂 様、副会長 後藤 佳代 様、杉澤 麻衣子 様の御臨席、多くの御家族の皆様の御列席を賜り、「第七六回卒業証書授与式」を挙行できますことは、私たち教職員、在校生にとりましても大きな喜びでございます。
 ただ今、卒業証書を授与いたしました二三名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。この四年間には、うれしいことや楽しいこと、そして、悲しいこと、辛いことなど沢山あったことと思います。入学以来、それらを一つ一つ乗り越えて卒業の日を迎えることができたことを心からお祝い申し上げます。
 また、この日を待ち望んでいた御家族の皆様、お子様の御卒業、誠におめでとうございます。無事卒業を迎えたお子様の姿を御覧になり、感慨もひとしおのことと拝察いたします。在学中は、本校の教育活動に御理解と御協力を賜りましたことに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
さて、皆さんは、四年前に春日部高等学校へそれぞれの夢や希望を抱き、入学してきました。ウイズコロナが模索される中で、皆さんは毎日の学習以外にも色々なことに取り組みました。春高祭では、皆さんが後輩たちを上手に指導しながら笑顔で取り組んでいたのがとても印象的でした。また、来校した方々に定時制のことを知ってもらおうと様々な展示を工夫するなど、皆さんの一生懸命な態度は、来校したお客様に好評でした。部活動の加入者や生徒会のメンバーも多く、たくさんの生徒が、学校活動に積極的に参加し、学校生活をとても楽しんでいたと思っています。これらの4年間の思いを全部まとめて、今日の卒業式があります。
高校を卒業するということは、社会生活を送る上で大きな価値が与えられます。これまで春日部高校で学び、身につけた学力はこれからの社会生活に必要な知識・技能の基礎をなすものであり、教養としての基本の部分です。それを成し遂げたということは素晴らしいことであり、ここにいる卒業生の皆さんは自信を持ってください。
今日で、東日本大震災が発生して十四年が経ちます。その間、コロナや能登半島地震、岩手県大船渡の山火事など、多くの災害が発生しました。また、世の中は急激な変化の渦にあります。AIやデジタル技術が発達し、私たちより速く、より効率的に物事を進めることが求められています。こういった防災の知識や社会の変化に対応する多めの知識は、これまで学んだ基礎の上に積み重ねていく必要があります。どうかこれからも粘り強く地道に学び続け、人生の次のステージに進んでいってください。
 ここで、皆さんの前途を祝してメッセージを送ります。それは「未見の我」を信じ、幸福を追求していってほしいということです。
次の詩は、本校の前身である旧制粕壁中学校を御卒業され、多方面で活躍をされた安積得也(あづみ とくや)先生の「明日」という詩です。

 はきだめに えんど豆咲き 泥地から 蓮の花が育つ
 人皆に美くしき種子(たね)あり 明日何が咲くか

人はだれにでも自分自身も気づいていない優れた資質・能力をたくさん秘めており、自分の可能性を信じて努力し続けていってほしいという願いを込めた詩です。
この事を安積先生は「未見の我」と呼んでいます。「自分は特別な能力は備わっていない」とか、「勉強はあまり得意ではない」などと言う人がいるかもしれません。しかし、それは、一面的な見方であり、人の能力は多面的なのです。自分のどの能力が、どの場所で、どう活かせるのかは誰にもわからないのです。だから、自ら様々な場面や場所で積極的にチャレンジし続け、自分の活躍できる場面や場所を見つけ出すしかないのです。当然、探す過程で失敗もたくさんするでしょうし、傷つくこともあるかと思います。しかし、それまで努力を重ねてきた過程が、結果だけでなく人生にとって大切なものになるはずです。
決して他人と自分とを比較するのではなく、今までの過去の自分とこれからの自分とを比べながら成長し続けていってください。皆さんには、自分の可能性を信じて強い意志をもって花を咲かせ続け、一生涯、「幸福」を追求してくれることを期待しています。
 卒業生の皆さんの今後ますますの活躍を期待するとともに、前途に幸多きことを心からお祈り申し上げ式辞といたします。

                令和七年三月十一日
                 埼玉県立春日部高等学校長   
                        角坂 清博