三者面談が6月13日から始まり、今日で2日目です。皆さんと保護者、そして担任の先生とで、皆さんのそれぞれの現在の学校での様子や成績を話したり、家庭での様子や進路についての考えを伺ったりします。しかし、中々進路について具体的な考えを聴くのは難しいようです。
ある教育雑誌で読んだのですが、「選択肢が多ければ多いほど選択できない」という心理現象を「ジャムの法則」と言うそうです。1995年にコロンビア大学に所属するシーナ・アイエンガー教授がジャムを使った購買実験から導いたため、「アイエンガーの法則」と呼ばれることもあるそうです。
アイエンガー教授らは、アメリカのスーパーマーケットにジャムの試食ブースをつくり、24種類のジャムと6種類のジャムを数時間ごとに入れ替えて提供し、買い物客の反応を調べるという実験を行いました。その結果、24種類のジャムを並べたときには、買い物客の3%しか購入しませんでしたが、6種類のジャムを並べたときには、買い物客の30%近くが購入したとのことです。これらの結果から、このジャムの法則が認識されるようになったとのことです。
一方で、ジャムが大好きな人にとっては、たくさんの種類のジャムの中から気に入ったジャムを楽しみながら選んでいくため、「ジャムの法則」は成り立たないそうです。つまり、たくさんの選択肢の中から自分に最適なものを選択するには、その対象に興味・関心が高いこと、そしてその対象の知識が深いことが求められるということです。
進路選択も同じです。興味関心や知識がなければ、自分にとって身近な人の進路のみを参考に選択してしまうことになると思います。確かにそれも一つの方法であると思いますが、一番大事なことは自分が本当にやりたいことを選択できているかということです。そのためには自分の進路の選択肢を広く知ることです。
それには高校生活の中で、授業や学校行事など、様々なことにチャレンジすることです。そして、簡単にあきらめず、一生懸命やってみることです。このことを通じて自分が思いもよらなかったもう一人の自分に出会うことができるかもしれません。また、今まで好きだと思っていたことを改めて自分の好きなことであると確認できるかもしれません。好きなことが見つかれば、あとは知識を深めるだけです。
このことは、この高校生活において常に心にとめてほしいと思います。