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【校長ブログ】令和6年度第3学期始業式

 本日から3学期がスタートしました。音楽ホールで、生徒全員が集まり始業式を行いました。校長式辞では、AIに負けないために本をたくさん読むこと。そして、心が変われば運命が変わることを信じて、今年1年の目標を立て、達成させてほしいとの旨を話しました。以下にその概要を掲載します。

 校長挨拶概要

 今日は、皆さんに多くの本を読んでほしいという話をしたいと思います。
 昨年の12月25日に文部科学省が次期学習指導要領の改訂に向け、中央教育審議会に諮問しました。内容は、生成AIの発展などを踏まえ、知識の集積だけでなく、深い意味の理解を促す学びのあり方などが検討課題としています。
 オックスフォード大学では2050年ころまでに、現在の仕事の約50%は人口知能(AI)やロボット等に代替されると予想されています。
以前、人工知能(AI)プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」のディレクターを務め、現在は、国立情報学研究所社会共有知研究センター長・教授新井紀子(あらい のりこ)先生の話を思い出しました。

 結果は、東大には合格できませんでした。
 ここで問題は、「AIは意味が理解できない。正しさは保証できない」にもかかわらず、受験生の上位にAIが入ったことです。
 AIは、問題からキーワードをいくつか選択し、検索をかけ、組み合わせの高く結果の出たものを回答としています。つまり、AIは、問題文は読めないし、解答が必ずしも正解とは限らないのです。

 例えば、AIでは「山口とは友達だ。私は山口と岡山に行ったことがある」という日本語を自動翻訳サービスにかけて英訳したところ、"Yamaguchi is a friend. I have been to Yamaguchi and Okayama."という英文になりました。「山口とは友達だ」と言っているのですから「山口と一緒に岡山に行った」、つまり"I have been to Okayama with Yamaguchi."でなければおかしいですよね。ところが自動翻訳サービスでは「山口」を地名だと判断してしまっています。AIは、まだこの程度の文脈も読み取れないことがあるわけです。
 つまり、多くの学生たちが、AIと同じような間違いをしていることが明らかになったのです。このことは、「汎用的読解力」が不足しているということを意味しています。汎用的読解力とは、分野を問わず、与えられた文章を基本的な構造に従って読み解く力のことを言います。
汎用的読解力を高めるためには様々な分野の本を多読すること、そして速読するのではなく、一字一句、精緻に「正しく読む」ことです。例えば、先ほどお話しした本を読むことを目標にするなら、はじめは漫画でもいいです。次に新聞。色々な記事を増やしていくことが大事です。そうすることで、自分の視野も広がり、効果的であると考えます。是非、チャレンジしてください。

 さて、新年も始まり、皆さんはどんな目標を設定したでしょうか?
 2学期の終業式で「心が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる」という話をしました。
 つまり、心が変われば運命が変わるのです。
 そのためには、1年間続ける覚悟で何か目標を立てることです。そうすることで、自分が今、何をするべきかわかるし、生活にメリハリができます。きっと運命が変わるはずです。

 今年も頑張っていきましょう!