皆さん、あけましておめでとうございます。本日より三学期が始まります。こうして元気な姿で皆さんと再び会えることを、心からうれしく思います。今日は、皆さんにこの一年をどう歩んでほしいか、その願いを一つの話を通してお伝えしたいと思います。
昔、ある青年が、毎日長い距離を歩く仕事に就きました。初めのうち、青年は新しい靴を履き、力強い足取りで仕事をこなしていきました。靴は丈夫で、歩けば歩くほど自信が湧き、青年はますます努力を重 ねました。
ところが、数日が過ぎると、歩くたびに足が痛むようになりました。靴底は少しずつすり減り、革は乾き、ひび割れが目立つようになっていきました。青年は「もっと頑張らなければ」と思い、痛みに耐えながら歩き続けましたが、歩ける距離は日に日に短くなっていきました。
ついに限界を感じた青年が先輩に相談すると、先輩は静かに尋ねました。
「靴の手入れは、いつしたんだい」
青年は答えました。
「手入れをしている時間などありません。歩くことで精一杯でした。」
皆さんは、この話から何を感じるでしょうか。
どんなに良い靴であっても、使い続ければ必ず傷みます。青年は、歩くことに追われるあまり、靴を整えるという基本を忘れてしまったのです。
では、私たちにとって「靴を手入れする」とは何を意味するのでしょうか。
一つは、自分の体を整えることです。体調が乱れれば、どれほど意欲があっても力は発揮できません。若い皆さんはまだ実感が薄いかもしれませんが、体の機能は少しずつ変化していきます。だからこそ、日々の運動や休養を大切にし、体を整える習慣を持ってほしいのです。
もう一つは、頭脳を鍛えることです。学ぶことを怠れば、思考は鈍り、判断力も曇っていきます。体を整える習慣はよく知られていますが、知力を保つために学び続けることの重要性は、まだ十分に理解されていません。
どれほど忙しくても、どうか皆さんには、自分を整える時間を失わないでほしいと思います。先の見えない時代において、最も頼りになるのは体力と知力です。しかし、青年がそうであったように、目の前のことに追われていると、その大切さに気づけなくなるものです。
だからこそ、行き詰まりを感じたときには、あえて立ち止まり、心を静める時間を持ってください。静かな時間は、頭を整え、忘れかけていた大切なことを思い出させてくれます。
さて、新しい年を迎え、皆さんはどのような目標を立てたでしょうか。
私は以前紹介したウイリアム・ジェームスの言葉をもう一度紹介します。
「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる」
つまり、心が変われば、運命は変わるのです。そのためには、一年間続ける覚悟で目標を掲げることが大切です。目標があれば、自分が今何をすべきかが明確になり、生活に張りが生まれます。皆さんの運命は、必ずや良い方向へ動き始めるはずです。
三学期が、皆さんにとって成長の実り多い時間となることを願っています。