校長ブログ
【校長ブログ】なぜ理科を勉強するのか?
今日からテスト返却です。点数も気になるところですが、是非、間違ったところを復習しておいてください。そういった地道な努力が次につながります。わからないままにしないことが大切です。頑張っていきましょう。
さて、期末考査の勉強中、理科(物理、化学、生物、地学)は、将来何の役に立つのか?と疑問に思いながら勉強している春高生もいるかもしれません。先週の7月5日(土)の埼玉新聞に、「理科の実用性認識低く」という記事が掲載されていました。日本、アメリカ、中国、韓国の4か国の高校生を対象として、国立青少年教育振興機構などが実施した科学に関する意識調査です。この調査結果によると、「社会に出たら理科は必要なくなる」と思う高校生の割合は、米中韓で1~3割なのに対し、日本が5割弱で最も高く、理科の実用性や必要性に対する認識が低い傾向があることが分かったというものでした。
確かに、理系でない分野に進む生徒であれば、自身にとって将来、理科を使うことはほとんどないと思うでしょう。しかし、ここで、科学に関する著書を多く出されている池内了先生は「なぜ科学を学ぶのか」ちくまプリマー新書(2019)で「科学研究の社会に対する役立ち方」について述べています。一つは、科学・技術の効能によって人間生活が便利で効率的になり、生産力が増大し、人々の暮らしが健康的で豊かになるとこと。もう一つは、人間の精神的活動としての文化の一つとして科学を考えている「文化としての科学」であるということです。例えば、モーツァルトの音楽もロダンの彫刻もリエールの演劇も、この芸術の成果は文化であり、「無用の用」と言えるでしょう。これらは無くなっても私たちは生きていけるのですが、これがない世界は精神的に空しく感じられるものです。「人間はパンのみにて生きるにあらず」で、物質世界から言えば「無用」ですが、精神世界には「用」なのです。
池内先生は、現在の私たちは、誰もが自由に意見を述べられ、それが尊重される建前になっている。しかし、むずかしいことは上の人や専門家に任せ、自分たちはそれらの人達が言うことに従っていれば間違いない、という姿勢が現代人に多く見受けられる。自分で判断する姿勢がなくなっていると。そうならないためには、日ごろから科学的な見方・考え方を鍛えておくことが大切であること。情報を鵜吞みにせず、個人の感情や経験を交えずに、様々な側面から物事を見る、科学的な考え方を身につけることが大切であると述べています。
今勉強している理科は、そういった科学的考え方を身につけるための教科です。「なぜ」、「どうして」と思う気持ちを大切にして、日々の授業に取り組んでください。
悪天候時の対応など、以下の緊急用サイトに当日の15:00までに掲載します。
携帯電話(一部旧式のものを除く)・スマートフォンでもアクセス可能です。
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(2025/5/15)
(2025/2/21)
(2024/3/12)
授業見学等の申し込みは随時受け付けています。
【令和7年度入学生用学校案内】
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