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2024年11月の記事一覧

【校長ブログ】親の願いは「子供が幸せになること」

 令和6年11月9日、本校全日制PTA主催の講演会で、本校のスクールカウンセラーをしていただいている公認心理師で、臨床心理士でもある阿部利恵先生から「受験生とともに歩む親の心得」と題してお話しいただきました。内容は次のとおりです。

 親の子供に対する願いは、「子どもが幸せになること」がゴールであることを心に留めておく必要がある。どうしても目の前のことに気が行ってしまうが、受験はあくまでも通過点に過ぎないということを忘れてはならいない。

 親として、家族として子供にしてあげられることは、体と心が安全であると、子供が思うことが大切。安全とは命を脅かす(物理的・心理的)危険がないこと。安心とは、危険がない状態が、この先も続く(だろう)ことと、身体(神経系)が感じられること。ストレスがない状態で頭が働く。穏やかな環境を作ってあげることが大切。家の中での不安は連鎖して、家族中にその不安は伝染する。したがって、家族の全員が心身ともに健康であることが大切であると話されていました。

 私も子を持つ親として、そして家族として、それぞれの在り方について考えさせられる講演でした。参考にしていただければ幸いです。

 

【校長ブログ】「ビリギャルママ」からのメッセージ

 11月8日、埼玉県高等学校PTA連合会定通教育専門委員会主催の講演会を開催いたしました。コロナ禍前までは、毎年、定時制の生徒が学んだことや将来の夢や希望を発表する生活体験発表の全国大会の視察をしておりましたが、今年度もこのコロナの影響等もあり中止となり、今後の在り方についても検討されているところです。

 そこで、別に「何かできないか」ということで、新たな取り組みとして、講演会を催しました。

 現在、学校では、不登校や中途退学の増加等、様々な課題が山積しています。様々な課題に対してそれぞれの分野で著明な方から講演をしていただき、解決のためのヒントにしていただこう等考えました。

 その第1回目として、「子育て」をテーマとさせていただきました。

 講師として累計100万部を突破しベストセラーとなった「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40あげて慶応大学に現役合格した話」のモデルである「ビリギャル」こと小林さやかさんの母の橘 こころ氏をお迎えし、「なぜ、さやかさんは爆発的に頑張ることができたのか?」、さやかさんを支えた母であるこころさんの子育て論や家族の成長についてお話をいただきました。

 講演では、橘こころ氏の母親からは厳しく育てられたことから、それをトラウマとして自分の子供にはそれとは反対の子育てをしている。子供には「なんでもいいからワクワクすることを自分で見つけて欲しい」と伝えていたといいます。一方で、さやかさんの小中学校のPTAに行くと蜘蛛の子を散らすように、学校の成績不振の生徒の保護者と友人になるのはだめだという雰囲気があり、いつも孤立していた状態でもあったとのことです。しかし、本を出すきっかけとなった塾を主催する坪田先生からは、さやかさんのことを一生懸命自己表現する子であり、自己肯定感が強い子であると言ってくれたのが自信になっているとも話されていました。 

 子育てにあたり、親が子どもへの思いは、最終的に、子供に幸せになってほしいということはどの方も共通するところであると思います。このことを踏まえて、橘こころ氏が「皆さんに伝えたいこと」として次のとおり、3点あげていただきましたので、是非、参考にしてください。

「皆さんに伝えたいこと」 

① 子どもを信じること。

 色々と問題を起こしているが、奥にある気持ちを信じている。未来を信じているということである。 例えば、定期考査や模擬試験を前に、「私はあなたを信じているからね」ということではない。

それが子どもにわかると、何かがあると家に帰ってくる。安全基地であると認識して帰ってくるのである。

② Beingで褒めること。

 Being、存在自体を褒めることである。「あなたが笑顔でいてくれるだけで、お母さんは幸せだよ」と伝えること。そして「you(ユウ)メッセージ」でなく、「I(アイ)メッセージ」

 you(ユウ)メッセージ、つまり「勉強しなさい」「あなたはこうすべき」と伝えていると、子供は親の行動を見て行動するようになる。しかし、命令で人の行動をコントロールできない。

 I(アイ)メッセージ、つまり、「私はあなたに勉強してほしい。ものを知る面白さを知ってほしいから」と自分の願望と理由を伝える。これは子供に自我が芽生えるし、自己肯定感につながる。たった一人でも理解者がいることが大切

③ 怒らない

 「怒り」は二次感情ということを意識すること。人は気持ちを相手に理解されないと怒りに変わる。 アンガーマネジメント:イラっとしたら6秒数えると落ち着く。

 また、ピグマリオン効果、いわゆる「期待を込めれば人は伸びる」という効果がる。反対に教師や親が期待をせずにネガティブな言葉をかけ続けると効果が下がる(ゴーレム効果)という。